開発環境の準備
Node.jsとは
Node.jsは、JavaScriptをサーバーサイドで動かすことを目的に開発されたソフトウェアです。Node.jsはGoogle ChromeのJavaScriptエンジンと同じ「V8」でJavaScriptを実行します。
Node.jsにはGoogle Chromeと同じJavaScriptエンジンが乗っていると言っても、組み込みのAPIは異なります。ブラウザはJavaScriptからHTMLを操作する必要があるのでDOM APIがありますが、Node.jsにはありません。代わりにNode.jsには、サーバーサイドのさまざまなリソースを制御する必要があるので、ファイルシステムにアクセスするAPIやHTTPサーバーを建てるためのAPI、プロセスを起動したり終了したりするAPIなどがあります。
Node.jsの典型的な用途は、サーバーサイドアプリケーションの開発です。たとえば、ウェブサービスのバックエンドなどです。最近のフロントエンド開発でも、Node.jsが必要になってきています。なぜかというと、開発で使うツールをNode.jsで動かす必要があるからです。TypeScriptでの開発も、TypeScriptコンパイラ(tsc)を動かすのにNode.jsが必要になります。
Node.jsのインストール
Node.jsは公式サイトからダウンロードしてインストールすることもできますが、もっとも手軽な方法はHomebrewを使ったインストールです。
shell
brew install node@16
shell
brew install node@16
インストールが完了したらシェルの環境変数PATH
にNode.jsのパスを追加します。
shell
echo 'export PATH="/usr/local/opt/node@16/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
shell
echo 'export PATH="/usr/local/opt/node@16/bin:$PATH"' >> ~/.zshrc
パスを追加したらターミナルを再起動し、環境変数を反映させてください。
node -v
でバージョンが表示されるかを見て、node
コマンドが実行できるかを確かめてください。
shell
node -v# v16.13.0
shell
node -v# v16.13.0
TypeScriptをインストールする
お使いのターミナルからTypeScriptコンパイラをインストールします。
shell
npm install -g typescript
shell
npm install -g typescript
tsc
コマンドが実行できるかtsc -v
コマンドで確認します。
shell
tsc -v# Version 4.5.5
shell
tsc -v# Version 4.5.5
表示されたバージョンはインストール時の最新バージョンになります。上の例は執筆時のバージョンなので、これと異なっていても問題ありません。
エディター・IDE
TypeScriptの開発にお勧めエディター・IDEはVisual Studio CodeまたはJetBrains IDEです。
Visual Studio Code
Visual Studio Code(VS Code)は、Microsoftが提供する無料でオープンソースのIDEです。Windows、Mac、Linuxに対応しています。このIDE自体もTypeScriptで実装されています。
https://code.visualstudio.com/download
JetBrains IDE
JetBrains IDEはJetBrains社が提供する有償のIDEシリーズです。Windows、Mac、Linuxで使えます。JetBrains IDEシリーズはプログラミング言語ごとに最適化された個別のIDEが提供されています。TypeScript専用のIDEはありませんが、次にあげるIDEはTypeScriptにしっかり対応しています。
- IntelliJ IDEA Ultimate (基本はJava向けIDEだが、JSやPHP、Ruby、Goなども扱える)
- WebStorm (JavaScript向けIDE)
- PhpStorm (PHP向けIDE)
- RubyMine (Ruby向けIDE)
- PyCharm (Python向けIDE)
- GoLand (Go向けIDE)
フロントエンドの開発のみを予定している場合、最安のWebStormで十分です。バックエンドとフロントエンドの両方を開発する場合は、PhpStorm、RubyMine、PyCharm、GoLandの中からバックエンド言語に合ったものを選ぶとよいでしょう。さまざまな言語を使う予定がある場合、ハイエンドのIntelliJ IDEA Ultimateを選ぶと網羅的になります。JetBrains IDEシリーズには無償版IntelliJ Community Edition(CE)がありますが、これはTypeScriptには対応していません。
JetBrains IDEには、30日間のフリートライアルと、学生は無料で使える無料ライセンスプログラムもあります。
日本の販売代理店の株式会社サムライズムからは、300円から1,000円の割引で購入することもできます。